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水循環の明るい水来(みらい)へ「鶴見川流域の総合治水」

水循環の明るい水来(みらい)へ

鶴見川流域の総合治水
1.はじめに

鶴見川は東京都町田市の多摩丘陵が源流で、神奈川県を流下して横浜市鶴見区の河口から東京湾に注ぐ、全長42.5km、流域面積235km2の一級河川です。昭和54年(1979年)に指定された総合治水特定河川(全国17河川)の1つで、国土交通省が総合治水に最も力を入れている河川です。流域には小田急線、田園都市線、東急東横線が走っていて、これらの沿線での都市開発が著しく、昭和33年(1958年)に市街化率約10%でしたが、1960年頃から鉄道網や幹線道路の整備が進み、昭和50年(1975年)には市街化率約60%へと、更に平成16年(2004年)には、市街化率約85%となっています。 
このように急速な都市化の進展に伴い、建物の屋根や道路舗装の面積が増大し、降った雨が河川に流出する割合が高まり、洪水の危険度が著しく増大するに至っています。
図1に流域図を示します。図に示される遊水地、調節池は、多くの流出抑制のための貯留施設の中で代表的なものを示します。

図1 鶴見川流域図
図1 鶴見川流域図

2.流域の代表的な調整池、調節池、遊水地

1.鶴見川遊水地
鶴見川が下流域で90度流れを変える洪水常襲地域の近くに造られた流域最大の遊水地です。面積84ha、貯留容量390万m3の広大な遊水地です。遊水地の詳細を図2に示します。

図2 鶴見川多目的遊水地
図2 鶴見川多目的遊水地

周囲堤で囲まれた遊水地内は、通常、テニスコート、球技場などのスポーツ施設、駐車場として使用されており、また日産スタジアム(高床式サッカー場)も設置されています(写真1、写真2参照)。洪水時に鶴見川の水位が上昇すると、越流堤の高さを越えた洪水が遊水地内に流れ込み、一時的に貯留されます。雨がやんで鶴見川の水位が十分下がったら、排水口より貯留された雨水が排水されます。

写真1 スポーツ施設
写真1 スポーツ施設
写真2 日産スタジアム
写真2 日産スタジアム

2.川和遊水地
横浜市営地下鉄グリーンラインの川和車両基地の地下に構築したコンクリート製の地下遊水地です。貯留容量12万m3、面積2.6ha、平成20年3月完成。
図3 遊水地平面図
図3 遊水地平面図(神奈川県HPより引用)
図4 遊水地越流堤部断面図
図4 遊水地越流堤部断面図(神奈川県HPより引用)
写真3 遊水地内部
写真3 遊水地内部(神奈川県HPより引用)

3.霧が丘雨水調整池
鶴見川の支川である恩田川流域に位置し、普段はテニスコートとして利用されており、大雨が降った時は一時的に雨水を貯めておくための施設です。貯留量は最大で9.7万m3になります。写真4に全景を示しますが、遠方にダムの堤体が確認出来ます。越流水深は6.8mとなっています。写真5は、大雨時の湛水風景です。

写真4 平常時調整池全景
写真4 平常時調整池全景(コミュニティポンド 整備事例集、雨水貯留浸透技術協会編より)
写真5 洪水時湛水状況
写真5 洪水時湛水状況(コミュニティポンド 整備事例集、雨水貯留浸透技術協会編より)

(4)恩廻公園調節池
恩廻公園調節池は、河川改修以前に鶴見川が流れていた旧河道(現在は公園として利用されている)の下にあり、トンネル構造になっています。面積2.27ha、貯留容量11万m3、トンネル内径15.4~16.5m、トンネル延長約600mです。写真5は調節池付近の全景を示す航空写真です。鶴見川と麻生川の合流点の手前に管理施設があり、洪水時に鶴見川の水位が計画を上回ると、溢れた河川水が越流堤から導水され立坑を通じてトンネル内に貯留されます。

写真6 調節池付近の航空写真
写真6 調節池付近の航空写真(神奈川県横浜川崎治水事務所発行パンフレットより)
写真7 地下トンネル調節池
写真7 地下トンネル調節池(神奈川県横浜川崎治水事務所発行パンフレットより)

忌部氏写真