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水循環の明るい水来(みらい)へ「神田川の総合治水対策」

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神田川の総合治水対策
1.はじめに

神田川は東京都三鷹市井之頭恩賜公園内にある井の頭池に源を発し東へ流れ、東京のほぼ中心地域である杉並区、中野区、新宿区、豊島区、文京区、千代田区を経て、更に台東区を過ぎて中央区と墨田区の境界にある両国橋脇で隅田川に合流します(図1参照)。流域には善福寺川、妙正寺川、日本橋川、亀島川などの支川があります。流路延長24.6km、流域面積105.0km²と、東京都内における中小河川としては最大規模で、都心を流れているにも拘らず全区間にわたり開渠であることは極めて稀と言えます。全国で17指定されている総合治水特定河川の一つで、東京都が管理する一級河川です。

図1 神田川流域位置図
図1 神田川流域位置図

2.源流

元来、神田川の源流は井の頭池近傍の湧水でしたが、近年の都市化の影響で湧水の枯渇が著しく、現在は地下水を汲み上げて、一旦井の頭池に導水した後、神田川の源流として流しています。

3.環七地下調節池など

善福寺川との合流点付近は、洪水被害の多い地域となっていて、その上流で環状七号線道路と交差する地点を起点として、善福寺川と交差して、妙正寺川と交差する地点まで、道路下深さGL-約40m 内径12.5m、延長約4.5km、貯留量54万m3のトンネル式調節池が2008年3月に取水施設と管理棟のすべてを含めて完成しています。この地下調節池は、洪水時に、神田川、善福寺川、妙正寺川の3河川から流入が可能となっています。

図2 東京都が地下に整備するトンネル式調節池(HP:環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事より引用)
図2 東京都が地下に整備するトンネル式調節池(HP:環状七号線地下広域調節池(石神井川区間)工事より引用)

図2に示すように、2008年3月完成の神田川・環七地下調節池に加えて、白子川と石神井川を結ぶトンネル式地下調節池(内径10m、延長約3.2km、貯留量約21万m3)が2017年3月に完成しています。今回は、その間の区間となる環状七号線地下広域調節池(石神井川区間:内径12.5m、延長約5.4km、貯留量約68万m3)が2026年3月完成の予定で整備が進められています。

4.総合治水における各対策の役割分担

図3は平成26年6月に公表された「東京都豪雨対策基本方針(改定)」に示されている各対策の役割分担のイメージ図です。30年後の対策の目標とする降雨規模は75㎜/hrと設定されており、各分担の割り当て量が図に示すように決められています。各対策は、①河川整備(流下施設)・下水道整備、②河川整備(貯留施設)・下水道整備(貯留施設)、➂流域対策、④家づくり・まちづくり対策に分類されています。分類①は、護岸整備、下水道の幹線・ポンプ場の整備、分類②は、河川事業や下水道事業で設置する調節池、分類➂は、図4に示す小規模な貯留・浸透施設、分類④は、地下街・地下鉄における浸水防止、個人住宅・ビル等の高床、止水版などの浸水対策が該当している。ちなみに、前述のトンネル式調節池は、分類②に分類されます。
弊社のハイドロスタッフは、分類➂の各種施設(図4)の中で、地下貯留、空隙貯留に該当しており、浸透タイプの場合は、浸透施設としてもカウントされると考えられます。

図3 各対策の役割分担のイメージ図(東京都豪雨対策基本方針(2014年改定)より抜粋)
図3 各対策の役割分担のイメージ図(東京都豪雨対策基本方針(2014年改定)より抜粋)

図4 流域対策に位置付けられる各種施設(東京都豪雨対策基本方針(2014年改定)より抜粋)
図4 流域対策に位置付けられる各種施設(東京都豪雨対策基本方針(2014年改定)より抜粋)

忌部氏写真